BF-TD588UV-JAシリーズにはこれまでにない機能として、通常送出されるDevice ID(Radio ID)に加えてエリアス(コールサイン)情報をデータ通信層を用いて音声通信に重畳して送出することにより、受信側でDevice ID未登録局のエリアスを表示することができます。
アマチュア無線の運用ではRadioID.netなどで取得したIDをDevice IDとして無線機に登録し、受信側ではコンタクトリストにDevice IDと共にエリアス名としてコールサインを登録する方法での運用が行われているのが現状です。 未登録のIDを受信するとエリアスは表示されずIDそのものが画面表示される仕組みが一般的です。
本機では自局のエリアス情報をデーターとして送出する機能を有効にことにより、コンタクト情報が格納されていない無線機にてエリアス名を表示させることができます。
この機能はBF-TD588UV-JA間のみで機能します。(現時点)
設定方法
注意:下記の解説で使用されているコールサインは説明目的の参考例であり実際の情報ではありません。
エリアス送出局側の設定
Device ID/Device Nameの設定
無線機設定プログラム [Device ID List] を開きます。
通常1つのDevice ID鹿登録できませんが、本機では最大100件の自局IDを登録し、チャンネルごとに送出するIDをあらかじめ設定できます。
自局Device ID及び、Device Name(エリアス名)が正しく設定を確認します。
エリアス送出設定
無線機設定プログラム [Channels] > [Zone]を開き、該当のチャンネル設定画面を開きます。
次の例では430 CH-1-1での設定例です。
[Alias Embedding Enable]を有効にします。
また、Device ID List ID欄で送出するIDが正しく選択されていることを確認します。
これで、送信する際には常にエリアス名がデーター層にて重畳されます。
受信端末側の設定
受信側は特に設定の必要はありません。 エリアス名データが重畳されている通信を受信した際に自動的に画面に表示されます。
この例ではDevice ID 67890が設定されています。
コンタクトにあらかじめ登録されていないIDを受信するとIDそのものが数字で表示されますが、エリアス名データが重畳されている通信を受信しても最初の約1秒間はIDがそのまま数字で表示されます。
更に連続して受信すると次のようにエリアス名が表示されます。
この例では67890に対しJA1AAAのエリアス名(コールサイン)が登録されいていますのでID番号に代わり「JA1AAA」がオレンジ色の文字で通信が終わるまで表示されます。
コールバックタイム内にサイド受信した場合はすぐにエリアス名が表示されますが、時間が空いた場合はデーターの再受診後、エリアス名の再表示まで1~2秒ほど数字が表示されることがあります。
既にコンタクトリストにこの情報が登録済みの場合はこれまで通りDevice IDが表示されることなく直接エリアス名(コールサイン)が黒字で表示されます。
この状態ではその都度受信したデーターを表示するのみでコンタクトリストへの登録は行われません。
未登録IDの自動登録
受信側で別途設定することにより、未登録局からのエリアス名データーが重畳された通信を受信した際に、コンタクトリストに自動登録することができます。
無線機設定プログラム [General Setting] を開きます。
[Automatically add strangers to the address book]を有効にすることで未登録今日情報の自動登録が可能です。
初回の通信ではオレンジ色の文字で表示され、自動的にコンタクトに追加登録されます。 登録完了後に受信すると通常通り黒字で表示されます。
不良な情報が自動登録された場合はご自身で削除してください。
コンタクトリストの最大登録件数に到達した場合は自動登録されません。
注意
この機能は現時点ではBF-TD588UV-JA間での通信で実現できます。 エリアス名データ送出・重畳通信に対応していない機種で受信された場合はDevice IDが表示されるのが一般的な動作です。 あくまで受信側の条件や制御に依存します。
この機能により既存の機能が阻害されることは現時点では確認されておりません。