2025年3月19日より3日間の日程で韓国にて開催されたSECON 2025でのBelFone社の出展に際し、BelFone社より現地にて会合の要請を受け急遽訪問させて頂くことに。
2024年に緊急の要件があり日本人ビザの取得の不要な香港にて初めての会合を行いましたが、今回は日本からは距離も近い韓国での合流となりました。
この2日間では、仕様改善などの詳細な打ち合わせや意見交換、これまでの反省、そして今後の展望など3回にわたり延べ7時間ほどになりましたが一つ一つ丁寧に共通の理解に至るまでお付き合いいただきました。
結論から申し上げますと、今回はこちらからの要望はすべて挑戦ししてみようということになりました。
業務無線市場では絶対に外せない要求から、アマチュア無線用途での要求、そしてあったら良いなという数々のタスクリストを持ち込みましたが、やってみる前からノー回答は無しの前提ですべて挑戦してみようということになりました。 一方で流通を待ってくださっているお客様もいる事なのでここは一丸となってやりましょうと言うことになりました。
困難も予想されますが逃げていては何も始まらず、失敗も無ければ次の作戦を考える機会も得られません。 大変難航するものと覚悟していたので正直私も驚きましたが、大変ありがたいお話し流れとなり、一先ず安心しました。
また、今回BelFone社の総経理である李女史(写真右)より千里江山の描かれた陶器を頂きました。 今後千里に連なる山々の如く末永く共にするという想いの証としての品とのことでした。
これまで市場規模の割に細かいことを数多く指摘してきた私はきっと煙たがられているのではないかと疑心暗鬼になっているところでしたが、一方でBelFone社のこれまでの地道な努力と成果に傷をつけることが無いよう足らずとも想いを込めてきたつもりでしたので、総経理の計らいは大変有難いこと思っています。
同時に千里の険しい山々の様に困難も重なることもあるということも忘れずに心して臨みたいと思います。
ということで、現在お時間を頂いている新製品の最後の仕上げ作業を進めますので、もうしばらくお時間を頂けます様お願い申し上げます。
こちらが今回のBelFoneブースの様子です。
いろいろと個人的には気になるモデルがありますが、自分の欲しいものなのか市場が求めているものなのかどちらなのかと問い詰められながら見ています。
今季新製品として導入予定の1UサイズのDMRレピーターです。
GMSS用の端子もついていますが、ネットワークで同期をとるのが一番多いセットアップとのことでした。 SFRでも同期が取れると1サイトで同一バンド内で複数のSFRを運用できるので良いのですが残念ながら設定がありません。
パネルセパレートが可能なモービル機のBF-TM950です。
これも大変気になるリグですがTier 3 TrunkingのリグでUHFの設定しかないのです。 これは私が個人的には欲しいリグですが、市場はVU Dualのモービル機を求めていると付け加えておきました。
さてここからはお時間のある方にお読みいただければと思います。
福建北峰通信科技股份有限公司(BFDX)として創業からこれまで36年に渡り、業務無線機の分野で、自社開発、設計、製造を行い経験を重ね、「BelFone」海外向けブランドとし今日に至っています。 アマチュア無線用途での業務無線機製品群の活用や需要はこれまでになく、全く新しい経験と挑戦となる分野です。
一方でこれまでの公共公安業務や民間業務用途の通信機やシステムの安定した品質と基本性能が維持されており、その性能をアマチュア無線の分野で活用できることは日本市場のみならずアマチュア無線家にとってメリットの一つとなると確信しています。
私自身これまで28年間、公共安全業務の中で無線機は生命と財産の保護はもちろん、自分自身そして大切な仲間の命を守る上である意味欠かせない道具の一つでありました。 そこでシステムの安定性と運用効果の安定を維持、ユーザーによるエラーや無駄な操作、判断に要する時間のロスの低減の重要性を考慮したシステム構築や運用の特徴も理解しております。
BelFone社でも仕向地による相違、ユーザー組織ごとの運用方針、従来の仕様や各国の標準等に対応するために様々な仕様や機能を盛り込み製品を用意する一方で、そのすべての機能がすべてのユーザーに適合する訳ではなく、各システムごとに必要な機能を選りすぐり有効化し、不要な機能は無効化して対応することで仕向け先に適合させる作業を行います。 通常はあり得ないことですが全ての機能を有効化すると組み合わせによっては相反する結果になることもある訳です。 またアマチュア無線用途での使い方と業務無線での使い方には基本理念の相違により相反する結果「全く逆の性能・性質」が求められる場面も生じます。 その上に仕向け地ごとの法規や基準への準拠が加わります。
弊社にて取り扱いを開始する以前より数か月の時間をかけて様々な調整やすり合わせを行ってきましたが、正直なところ圧倒的に小さな日本のアマチュア無線用途の市場規模を前提にアマチュア無線用途での希望や改善を要求し受け入れてもらうことは大変困難な状況でした。 もちろん大きなロット前提の取引であれば簡単に達成できることであるかもしれません。
そんな中で私が常に訴えていたことは、多くのOEMやODMのビジネス手法の中にうずもれて見えてこなかったBelFoneというブランドが日本ではアマチュア無線の世界の中の小さな部分であるとしても誰かの目に留まり、手に取って頂ける機会に恵まれたのは事実なので、安心して使ってもらえるツールのメーカーとして認識されるよう少しづつでもしっかりとした仕事を重ね、評価されることを目標にすることも我々自身にとってもユーザーにとっても真剣にやってきたからこそ価値になることではないかとお話ししていました。
これまでの様々な調整や交渉は、現状の日本の市場規模ではほとんどの企業では相手にして貰えない、あるいはコスト的に限度があるのは事実です。 それはBelFone社にとっても一民間企業である以上同様です。 きちんとした仕事をしなければ健全な市場が発生しないのも現実です。
海外営業の杜氏、日本でもKittyとして一部の方には認知されていると思いますが、私の担当としてこれまで上司、工場や開発部門、プログラマーなどに私からの無理を伝え、時には何とかねじ込んでくれたり、やはり却下され私にうまく行かなかったこと告げなければならない板挟みにあい、相当な苦心があったと感じています。 時々随分と落ち込んでいる時もありましたがある時「絶対にあきらめない」と言ってくれました。 それ以来、何か困難に当たった時の為に次のプランを考え、時期を読んで仕切り直したりと一緒に策を練り、いま振り返ると数千通になったメールや連絡のやり取りが残っていますが、一つ一つ解決した時はやはり嬉しいものでした。
一方でお互いに疲れ切っている時も事実としてありましたので、申し訳なく思い、もういいよと声をかける場面も何度かありましたが、そんな時は創業者からの会社の信念として「お客様の要求は応えるためにあり、実現することが我々の役目である。」と言われているのでそれをしているだけ、でもうまく行かないと言っていました。
今回現地に着いたときには、宿題が多く浮かない顔をしていることに気付きましたが、私も何とか理解と協力を得られるように説得してみて、ダメならまた次の作戦を一緒に考えればいいよと声をかけましたが、結果的にはスムーズに話が進み、思っていた以上の理解を得ることができたので杜氏もほっとしたようでした。
解決しなければならない課題と作業はまだまだあるのですが、笑顔になれるのが一番です。
余談が長くなりましたが、今回どこまで時間内に実現できるか分かりませんが最後のひと踏ん張りです。 諦めなければ何かしらの成果や道筋は見えてくるはずと信じています。
おまけです。
これまでの仕事で長年PATLITE製品のお世話になっていた私としては、このロゴを見るとすぐに反応してしまい、もう購買することはないのですがお邪魔させて頂きました。
車両用の製品群は韓国では価格が合わないので取り扱いはしていないとのことでした。 国内メーカーで安い製品が占めており難しいとのこと。 確かに昔の円高の時にはPATLITE製品とGall’sで価格であまりにも格差がありすぎてどうにもならなかったときもありました。
こちらの方は韓国の方でしたが私より滑らかな日本語でビックリしました。
日本のメーカとして韓国でも頑張ってくださいとお声をかけさせて頂いて、引き揚げました。