BelFone BF-TM8250-JAをはじめBF-TD930-JAにはDMR通信による無線機の遠隔停止・復旧機能があります。 これは管理しているネットワークに所属する無線機の紛失や盗難などにより第三者による通信の漏洩を防ぐために用意された機能です。
設定方法
被制御端末側の設定
デフォルトでは制御信号を受信しても無視する設定になっています。 以下の手順により制御信号の受信を有効に変更します。
無線機設定プログラム [DMR Service] > [DMR General Settings]を開きます。
ここから実際の設定です。
> [Decoding]
Remote Disable/Enable Decodeのチェックし有効にします。
以下の認証設定なしでもこの機能は動作しますがその場合誰でも操作出来てしまうことになりますので、認証設定を有効にすることをお勧めします。
> [Authentication]
Remote Disable/Enable Authentication のチェックし有効にします。
Authentication Key に使用したい任意の暗証番号を16桁で入力します。 この暗証番号は16進数を使用し、16桁に満たない入力の場合は末尾にFが自動で足されます。
こちらのサイトで文字数を16として生成すると便利です。
この後無線機にこのコードプラグを書き込み被制御端末側の設定は完了です。
制御端末側の設定
この例ではBF-TM8250-JAシリーズを使用していますがBF-TD930-JAシリーズからでもBF-TM8250-JAに対し制御可能です。
無線機設定プログラム [General Setting] > [Menu Settings]を開きます。
>[Control Service]の欄を見ますとデフォルトではControl Serviceは選択されておらず、以下の項目がグレーアウトされています。
Control serviceをチェックし有効にすると、以下のすべての機能が有効になりますが、不要な機能はチェックを外しRadio DisableとEnableのみを有効にします。
この後無線機にこのコードプラグを書き込み被盛業端末の設定は完了です。
操作方法
遠隔停止制御
制御局から被制御局のIDを指定して制御信号を付け加えて個別送出することでこの機能を実行します。
DMR Service のDMRコンタクトにあらかじめ被制御端末のDevice ID(Radio ID)とコールサインを登録しておくと便利です。
- 制御局の無線機でコンタクトから目的の被制御局のコールサインを選択します。
- 機能の一覧が表示されますのでDisable Device(機器停止制御)を選択します。
- Disableが成功するとその旨画面に表示され受信状態に戻ります。 失敗の場合はその旨表示され受信状態に戻ります。
被制御端末には以下のようにKill 1と表示されます。
この間、電源は投入されたままで通常の送受信動作は一切行われず復旧信号を受信するまで無線機は停止制御信号を受信したチャンネルを維持したまま待機します。 この間すべてのキー操作は受け付けることなく音も発しませんが、電源・ボリュームつまみの操作により電源OFF操作があった場合には電源が切れます。 電源が再度投入されるとKill 1状態を維持します。
遠隔復帰制御
上記の停止操作度同様でDevice Enableを選択し送出します。
制御信号を受信すると再起動が掛かり通常の状態で復帰します。
BF-TD930-JAシリーズポーターブル無線機からも同様の手順で遠隔操作が可能です。
注意
この機能はDMRモードにて制御局が被制御局と通信が確立できることが条件となりますので、混信や妨害、通信状況によっては制御に失敗する可能性があります。 またスキャンを多用している場合は制御信号とのタイミングにより何度かトライする必要がある状況も考えられます。
遠隔地に設置された機器を運用される場合は、その他の手段にて端末の制御の手法を確立されることをお勧めいたしますが、SFR機能を使用したDMRデジピーター運用されている管理者様において、いざというときの便利な機能の一つとして活用いただけると幸いです。